狩れ、奪え、生き抜け!『地獄楽』

狩れ、奪え、生き抜け!『地獄楽』

死にたがっていた男の、生きるための闘い

狩れ、奪え、生き抜け!『地獄楽』

連載開始当初、読者だけでなく漫画界からも圧倒的支持を得た作品、「地獄楽」。 今回は「地獄楽」の魅力をご紹介します。 本作はジャンプSQで「FANTASMA」を連載していた賀来ゆうじ先生の作品です。 誰が敵で誰が味方なのか、次に何が起こるのか、そんなスリルをお求めの方におすすめの1作です。 スリル満点の「地獄楽」の世界を一緒に見ていきましょう。

 

読むほどに圧倒される「地獄楽」を楽しむ3つのポイント!

「地獄楽」の世界はとにかくシビアです。一瞬の判断が命取りになるような世界だからこそ、輝く魅力があります。ここからは「地獄楽」をより楽しむために注目してほしいポイントを、3つに分けてご紹介します。

※多少のネタバレを含みますが、その点はご容赦ください。

1.自由のために不老不死の仙薬を手に入れろ!

元・石隠れ衆忍筆頭〝がらんの画眉丸〟は何をしても死ななかった。打ち首、火刑、牛裂き、釜茹で、その全てから生きて戻った。

死にたいと口にしながらも死なない男の前に現れたのは山田浅ェ門佐切。刀剣の達人であり、最強の打ち首執行人であった。画眉丸に真の命の危機が迫る中、彼は己が生きる目的を自覚する。妻の元に生きて帰る、だから死ぬわけにはいかないと。

そんな画眉丸に佐切はある提案をする。

「自由になるために、あの世と呼ばれる場所で不老不死の仙薬を手に入れろ。仙薬を手に入れれば無罪放免、妻の元に帰れる」。

自由をかけ、がらんの画眉丸一世一代の戦いが始まった。

「地獄楽」は江戸時代末期の話で、仙薬を狙っているのは画眉丸だけではありません。自由のために、全国の死罪人と幕府の命を受けた山田浅ェ門一派も仙薬を狙っています。あらすじのように画眉丸は人間離れしていますが、他のキャラクターも人間は軽く超えています。

そんな彼らでも一瞬で命を失うのが、あの世と呼ばれる島・神仙郷です。圧倒的な暴力と絶対的なルールが支配する神仙郷を舞台に、死罪人・打ち首執行人・神仙郷の生物が戦いを繰り広げます。

誰もかれもが他者を蹂躙するだけの力を秘め、虎視眈々と仙薬を狙っているので一瞬も気が抜けません。また仙薬はこれまで手に入れた者がおらず、どこにあるのか、どんなものなのかも分からない代物。情報を求め神仙郷に立ち入った者は皆死に、帰って来た者も人ではない何かに変わる異形の島です。

信頼できるものは自身の実力のみ。この過酷な環境の中で画眉丸は仙薬を手に入れなければならないのです。島に隠された謎を解き、迫りくる脅威を打ち払い、無事仙薬を手に入れ、生きて江戸に帰れるのか、是非注目してください。

2.強烈な暴力と個性を持つキャラクター!

主人公画眉丸を始めとして、どのキャラクターもかなり尖った個性を持っています。島の秘密と共に、彼らの魅力をご紹介させていただきます。

画眉丸

画眉丸は〝がらんの画眉丸〟として全国に名が知れ渡っている、最強の忍です。普段は冴えない青年にしか見えませんが、一度戦闘になれば目に入るもの全てを破壊する力を持っています。

数々の処刑を耐え抜く肉体に加え、多くの忍術も習得しており、まともにやりあって無事にすむ者はいません。特に判断力と決断力に優れており、迷いの無い画眉丸は無敵と言っても過言ではありません。

佐切

画眉丸の監視役として島に付いてきた佐切は、剣の腕前は超一流、画眉丸に死を意識させるほどです。

性格は真面目で頑固、基本は幕府の命に従って動きますが自分の正義を優先させることもあります。いざ戦闘となれば淡々と画眉丸の首をはねようとする一方で、画眉丸を鼓舞したりと熱い一面も持ち合わせた変わり者です。

死罪人と山田浅ェ門

他のキャラクターも変わり者ぞろい。

死罪人は各々の特技や特徴を活かし、死を振りまく化物ばかりです。共通点としては人を殺すことに躊躇がなく、目的達成のためなら手段を選びません。強さはピンキリですが、油断は禁物。どの死罪人も画眉丸とやりあえるだけの力の持ち主です。

付き添う打ち首執行人は全員が山田浅ェ門一派であり、山田浅ェ門を名乗るだけの実力を備えた猛者ばかりです。佐切のように真面目な者もいれば、何を考えているのか分からない者や暗躍する者など、こちらも一筋縄ではいきません。

名前があるからといって安心して見ているといつの間にか退場しているので、油断はしないでください。

神仙郷

そして不老不死の仙薬がある島・神仙郷に住む者たちは、飛びぬけて異形です。人かどうかも疑わしい能力の持ち主、明らかに人とは異なる化け物、全てが謎に包まれた超常的な存在です。

画眉丸たちは彼らと戦い、触れ合う中で新しい力や謎の答えを手に入れていきます。

3.圧倒的な画力で描かれる地獄と極楽!

この作品を最大限に楽しめるのも、その圧倒的な画力があってこそです。キャラクターの描き方が上手いのはもちろん、背景や戦闘描写も秀逸で息を飲む瞬間が多々あります。

特に神仙郷は幻想的に描かれ、極楽のような世界に見えます。しかし実態は死が蔓延する地獄のような世界、その対比があるからこそ死の恐怖と生の輝きが際立つのです。

上記にもありますが、気づいたら主要キャラだと思っていた人が亡くなっていたりします。その死に様はあまりにあっさりしていて、本当に死んだのかと疑問に思うほどです。

死が普通の世界だからこそ一瞬たりとも気を抜けない。その当たり前を画でしっかりと見せてくれる、そのおかげで読者にもその凄絶さが存分に伝わってくるのです。

最も分かりやすいのは1巻の終盤です。死罪人と打ち首執行人が上陸した瞬間の神仙郷の美しさ、それとは裏腹に立ち込める死の匂い。そこからの怒涛の展開は、是非ご自身の目でお確かめください。

生きる意味と覚悟を問われる「地獄楽」

「地獄楽」は現在ジャンプ+で毎週月曜日無料配信中です。単行本も5巻(2019年3月現在)と集めやすくなっていますので、是非この機会に読んでみてください。

生きる意味を死の淵で見出し、戦いの中で覚悟を問われる物語。画眉丸、佐切、その他多くの者たちが己の願いを叶えるため命を懸けています。謎の多い島で、迫りくる数々の脅威を打ち払い、愛する人の元へ帰ることができるのか?画眉丸の一世一代の戦いを、どうぞ応援してくださいね。