アナタも疑心暗鬼になる『トモダチゲーム』

アナタも疑心暗鬼になる『トモダチゲーム』

友情にお金が絡むとこうなる

アナタも疑心暗鬼になる『トモダチゲーム』

「別冊少年マガジン」にて現在連載中の、原作を山口ミコト先生が、作画を佐藤友生先生がそれぞれ担当している「トモダチゲーム」。同じ高校に通う男女の同級生5人組がある日、何者かに拉致され、友情とお金を天秤にかけた狂気のマネーゲームに参加させられるギャンブル・サスペンス漫画です。 2017年にはドラマ化と実写映画化もされ話題を呼んだ、“友情さえあればとても簡単なもの”とされる本作の魅力を、たっぷりとご紹介いたします。

 

あらすじ

幼い頃、母親に「お金よりも友達が大切」だと教わった、男子高校生の主人公・片切友一(かたぎり ゆういち)は、母親の教え通りにお金よりも友達を大切に生きていた。

ある日、クラスで集めていた修学旅行費が盗まれるという事件が発生してしまう。集金を担当していた生徒が少し目を離した隙に盗まれ、状況から犯人は同じクラスの生徒であるとされていたが、事態は進展しないままだった。

その結果、友一を含む5人のクラスメイトが何者かに拉致され、謎のゲーム「トモダチゲーム」の会場に集められた。盗まれた修学旅行費は「トモダチゲーム」の参加費であったとされ、5人のうちの誰かが2000万円の借金をしている為、それを5等分し1人400万円の借金を背負わされ、「トモダチゲーム」に参加し、ゲームで獲得した賞金で借金を返済していく事となっていく。

「友情」と「お金」どっちが大事?

本作のテーマは、「友情」と「お金」です。主人公・友一とその友達であるクラスメイト達は、半ば強制的に「トモダチゲーム」に参加させられていく中で、「友情」と「お金」の二択を迫られていく事になり、執拗なまでに人の心理を揺さぶるように仕向けられた様々なゲームが、複数のステージに分かれて彼らを待ち受けています。

それまで普通に友達として接してきたクラスメイト達が、「お金」が絡む事によって急にそれぞれが疑心暗鬼になり、裏切り行為が横行しだす展開に、読者はハラハラドキドキさせられます。友一たちの置かれた状況と言動を、自分の身に置き換えて考えてみると、改めて「お金」の恐ろしさを思い知らされ、「友情」とは何なのかを考えさせられます。

主人公は善人?悪人?

本作最大の特徴は、ズバリ主人公・友一の特異性です。彼はどこにでもいるような平凡な高校生ではありません。むしろ、とても高校生とは思えない言動が作中で異彩を放ち、本作のストーリーを盛り上げていきます。

友一には現在両親がおらず一人暮らしをしており、生活は決して豊かではありません。高校生としての学業に加え、内職や新聞配達で地道にお金を稼ぎ、修学旅行費や大学進学のための学費を貯めながら生活している苦学生です。そんな日々の中でも母の教えを守り、友達を大切に生きていた友一ですが、「トモダチゲーム」への参加によって、彼の過去に深く関わる、知られざる裏の顔が露わになっていきます。

本作は、主人公を読者がどう捉えるかで大きく見方が変わってくるので、是非、皆さんも友一が善人なのか悪人なのか、彼の本性を自分の目で確かめてみて下さい。

「トモダチゲーム」の運営側の目的は?

本作は2019年3月現在、単行本13巻まで発刊されており、作中で多少の伏線こそ張られていますが、「トモダチゲーム」の存在や目的は未だに明らかになっていません。現在分かっている事は、「トモダチゲーム」に出資する人間(スポンサー)がいて、彼らを楽しませるためのショーとしての催しだという事です。

「トモダチゲーム」の参加者たちが、「お金」にまつわるゲームのルールに翻弄され、心理的に追い詰められ、挙句の果てに多額の借金を抱え破滅していく様を、出資者たちが見て楽しむという悪趣味なものに他なりませんが、詰まる所、“他人の不幸は蜜の味”に基づいた娯楽要素という事なのでしょう。運営側の人間も数人登場していますが、素性などが全く明らかになっておらず、まだまだ謎が多い人物たちです。

そんな中ある場面で、運営側の一人が友一と接触する機会があり、「トモダチゲーム」の全てのステージをクリアすると、「トモダチゲーム」が存在する目的や、誰が本当の裏切り者かがハッキリすると友一に言い放ちます。

「トモダチゲーム」を完全クリアした先に、友一たちに何が待っているのか、今後の展開が注目されます。

「トモダチゲーム」の攻略法は信じること

参加者たちを理不尽なまでに苦しめる「トモダチゲーム」ですが、攻略法が一つだけ用意されています。それは、“友達をとにかく信じて信じて信じ抜くこと”です。

ゲームが先のステージに進むにつれて、より心理的に追い詰められ、苦境に立たされていく友一たちですが、友達を信じる事で様々な障害を乗り越え、難局を打開していく姿にカタルシス効果があり、爽快感を覚える読者も少なくないでしょう。

本作と同様に、原作漫画の人気を受けて実写化されて話題を呼んだ、「LIAR GAME」や「賭博黙示録カイジ」がお好きな方には、間違いなくオススメできる作品となっております。

※カイジシリーズの記事はこちら。

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