残虐超人・カレクックの帰還!!

残虐超人・カレクックの帰還!!

この男の活躍を待っていた!

残虐超人・カレクックの帰還!!

頭にカレーを載せた姿が印象的でともすればネタ枠かと思われるカレクックですが、その試合を見てハラボテ委員長は怯え始めます。『あのカレクックが帰ってきた』と……カレクックはラーメンマン、ブロッケンjrの父ブロッケンマンと共に『世界三大残虐超人』と恐れられていたのです。ラーメンマンもブロッケンjrも、すっかりアイドル超人となっている事を考えるとカレクックは『世界三大残虐超人』で唯一残った残虐超人と言えます。

 

カレクックの残虐ファイト

オメガ・ケンタウリの六鎗客の狙いの1つが友情パワーである事がわかると、その手掛かりを見せまいとカレクックは残虐ファイトを展開します。ファンにはおなじみカレーをすり込む攻撃『ガラムマサラサミング』『カレールーガウジング』をはじめとしたえげつない攻めに加え画力が上がっていることでより恐ろしく見える形相は残虐超人の名に恥じないもの。

技がキン肉マンらしいギャグ要素の強いものにも関わらず、不思議と凶悪に見えます。ものすごい今更ですが、残虐超人って残虐ファイトを行うものの一応正義超人のカテゴリなんですよね。

心根から正義超人

カレクックも戦い方こそえぐいですが、その心根はちゃんと正義超人であり、同時にとても不器用な男であることがわかります。なお、カレクックの前に戦った正義の五本槍メンバーにしても新必殺技を引っ提げて登場したティーパックマン、スペシャルマンとの特訓で得られたというテクニカルな面を垣間見せたカナディアンマン、意外にも強敵相手に技巧派の戦いを見せたうえお馴染みの秘技アリダンゴからのベンキ流しコンボを見事決めて見せたベンキマンと熱く、普段の主要な超人たちの戦いとはまた違った趣がある戦いを繰り広げていています。

そう言う意味では新章は一味違った戦いが見たい人にはおススメ。

カレクックの戦いについても『こいつこんなにかっこよかったっけ?』と言う衝撃を受けること必至。同時に正義超人らしからぬ残虐ファイトが繰り広げられるので『定番のクリーンファイトには飽きてきたぜ』なんて人には特におススメできます。

技のネーミングがすごい

なお、この戦いにおいて決めようとした『チャルカスティング』であったり『私はカレーを載せた外道カレクックだーーッ!!』というセリフであったりといった部分は特別読み切りを読んでいるとなお楽しめる部分です。私個人として印象に残ったのはこの戦いで初披露の足でバックブリーカーを決めるという荒業『ガンジスブリーカー』です。もう少し言えば229話の煽り『スコヴィル値MAX』も良いですね。スコヴィル値とは唐辛子の辛さの単位。この辺は本当、発想の勝利ですね。

そしてそのカレクックと戦ったマリキータマンはテントウムシの超人。『mariquita』はスペイン語でテントウムシの事なんだとか。確かに見た目はまんまテントウムシなのですが、これがデザイン的にもなかなかかっこいいうえに強い。地味に技も背面からトゲを出す『ミミック・ニードル』でカレクックの攻めを迎撃し『テントウムシにトゲがあるなんて聞いたことないぜ』という読者も同じ感想を抱くであろう言葉にテントウムシのウンチクを語ったうえでトゲを生やしたまま突っ込む『テントウムシダマシクラッシャー』に『コキネリツイスター』(コキネリもテントウムシの意味)、『天道羽根抜刀(てんとうはねばっとう)』とテントウムシ尽くし。

その他『正義超人の所業とは思えない』『理性を捨てたファイト』と評されたカレクックの心理をロールシャッハ・テストが元ネタであろう『ロールシャッハ・ドット』で暴き『仲間を殺された極めて理性的な怒りによるもの』と分析して見せたりという知的な面を見せ、更には『そんな中途半端な怨念では俺は倒せん!』と宣言します。

しかし、意外と言えば意外だったのがカレクックの心理を正義超人であるキン肉マン以上に理解していたことですね。マリキータマンはその心理を理解したうえで、オメガ・ケンタウリの六鎗客のリーダー、オメガマン・アリステラ(『キン肉星王位争奪編』に登場した「超人ハンター」ことジ・オメガマン(本名:オメガマン・ディクシア)の双子の兄)の命令を無視している。

悲しき正義超人達

残虐超人はいわばダークヒーローで、本質は正義超人でありながら他者に恐れられる……そう考えると非常に悲しい存在です。カレクックも本当は心優しい人物でありながら不器用であり、友情パワーを相手に見せないために残虐ファイトを貫いた姿勢はまさにその不器用さが前面に押し出された姿です。ちなみにカレクックの残虐性に火が付くスイッチは『義憤』。他者が理不尽に虐げられているのを放っておけないという正義超人らしいスイッチです。

単に熱いファイトを語るのも良いですが、そうした背景であったり裏にある悲しい事情だったりを知ると余計に心に響きます。実はこの戦いをチョイスした理由も、カナディアンマンよりも掘り下げやすい面を感じたからだったりします。たまには、一風変わった超人についてこうして熱く語りつつ深い考察をするのも良いものだと思います。