『賭博破戒録カイジ』に圧倒的に惹かれる、3つの悪魔的魅力

『賭博破戒録カイジ』に圧倒的に惹かれる、3つの悪魔的魅力

なぜ、私がカイジを愛してやまないのか!?

『賭博破戒録カイジ』に圧倒的に惹かれる、3つの悪魔的魅力

ギャンブル好きな人ならもちろん、それ以外の人からも大人気なカイジシリーズ。ヤングマガジンで現在も連載されており、アニメ化、映画化もされているビッグタイトルである。 主人公、伊藤開司が借金を返済するため、さまざまなギャンブルに奮闘する物語となっている。ここではカイジシリーズの「破壊録編」にスポットを絞り、魅力について考察していこうと思う。

 

悪魔的魅力その1 クズなキャラクター

始めに主人公の伊藤開司について書いておきたい。基本的にクズである。

「破戒録編」では冒頭、地下の労働施設にカイジが送り込まれ、強制労働を強いられる状況になる。そこで借金を返済するまで働かなければならない。

そしてこの施設で使える『ペリカ』という通貨があるが、カイジにも施設に入り1ヶ月後の給料日に支給された。このペリカを貯めればご馳走を食べることができたり、施設から外出する権利を買うこともできる。もちろんカイジは外出権を買うため、ペリカを貯めることを決意する。

だが施設の中では煙草やビール、つまみ、お菓子類が売られている。当然金額はぼったくりである。これらのものは、日頃貧しい生活をしているカイジ達労働者には絶大な魅力である。

当初カイジは耐える!耐えるがダメ!

最初はビール1本のつもりが、僅か数日で稼いだペリカをほぼ全部使うという豪遊ぶりであり、高額なビールや焼き鳥に手をあげる始末である。

これまでカイジは、借金によりさまざまなギャンブルをし、命をかけたことすらあった。なのでお金のありがたみは人一倍知っているはずなのに、この有り様である。

そんなカイジのクズさ加減に人間味を感じ、共感する人も少なくないのではないだろうか。この自堕落な部分に愛着がわき、カイジというキャラクターを身近に感じられ、物語にもより引き込まれていく。

悪魔的魅力その2 クズさを見せてからの圧倒的閃き!

主人公のカイジは基本的にクズだと書いたが、カイジには天才的とも言える閃きがある。一般的な人には気づけないことを些細なヒントで閃いてしまう。そこからの急展開が物語の1番の見所と言ってもいい。

特にそれが際立ってみられるのが、破戒録後半のパチンコの『沼』に挑戦する時である。

パチンコの沼とは1玉4000円でプレイする高レートのパチンコであり、一度大当たりすれば7億以上という高配当だ。高配当ということで、ちょっとやそっとのことでは当たりが出ることはない。

この沼を攻略するべくカイジが考えた攻略法が、まさに規格外である。さまざまな攻略法を駆使して沼に挑もうとするが、その中でも驚きなのがビルごと沼を傾けるという方法である。

沼には3段クルーンというものがある。1段目のクルーンには穴が3個あり2段目にいく穴がひとつ、2段目には穴が4個あり3段目にいく穴がひとつ、3段目には穴が5個あり当たり穴がひとつ、この当たり穴に入り初めて沼は大当たりとなる。カイジは沼が傾くことにより、3段クルーンは突破できないと気づいた。

カイジが攻略法を考えているなか、沼のあるビルの地盤はゆるいという情報を得る。そこでカイジは閃く。「このビル自体を傾けてしまおう」と。普通であればこのようなこと考えもしないだろう。沼本体をどうにかしようとは考えるかもしれないが、建物ごと傾けようとは。

ビルを傾けようという発想も素晴らしいものだが、その方法も注目である。

まず部屋の最上階の部屋を借り、そこに荷重をかけようと考えた。そして肝心の重りは一立方メートルのビニールの水槽に水を入れたものである。

水であれば蛇口からひねれば限りなくでるので、重りを部屋に運び込むこともしなくていい。これを20個並べ約20トンの荷重をビルにかけ、ビルを傾けたのである。この発想やはり非凡である。

普段は他の人より劣った行動を見せるが、ここ1番で閃く圧倒的発想には興奮をおさえることができない。

悪魔的魅力その3 語らずにはいられない名言の数々

カイジシリーズには数々の心に響く名言が書かれている。それが物語をひときわ盛り上げている。

カイジという作品は知らないが、この名言だけは知っている、という人も少なくない。今回は、有名だが個人的にも気に入っているこの2つのセリフにスポットをあてよう。

個人的に1番だと思っているのが、カイジが働いていた地下の労働施設にいた班長・大槻が、ペリカを散財しているカイジの哀れな姿を見て放ったこの言葉である。

「明日からがんばるんじゃない…
今日…今日だけがんばるんだっ…!
今日がんばった者…今日がんばり始めた者にのみ…
明日が来るんだよ…!」

人間は欲望に弱いものであり、何かと理由をつけて問題から逃げてしまうことも多い。この言葉は、それを改めなければいけないと確認させてくれる、素晴らしい言葉である。

次にカイジが沼に挑戦する前に仲間に言った、この言葉。

「奇跡なんて望むな!“勝つ”ってことは…そんな神頼みなんかじゃなく…具体的な勝算の彼方にある…現実だ…!勝つべくして勝つ…!」

カイジは沼攻略に向け色々な策を考える。そうしてしっかりと勝算をたて沼に望もうとしていた。現実をしっかり受け止め運否天賦で勝負をしない。「運しだい」という言葉もあるが、それは考えることを放棄した末に出される結果であり、この言葉はそんな考えを改めさせてくれる。

さらなる、悪魔的魅力

これだけでは語り尽くせないほど、カイジシリーズは奥が深い。シリーズが長いということもあるが、魅力的なキャラクター、名言、ストーリー。現在も連載は続いているが、この先もどうなるか非常に楽しみな作品である。