『賭博黙示録カイジ』は現実では味わえない極限状態をリアルに体験できる!

『賭博黙示録カイジ』は現実では味わえない極限状態をリアルに体験できる!

何度読んでも面白い!

『賭博黙示録カイジ』は現実では味わえない極限状態をリアルに体験できる!

長年にわたって大人気となっているギャンブル漫画・カイジですが、その人気のきっかけとなったのが最初の作品となる『賭博黙示録カイジ』です。今までに見たことのない斬新なゲームの内容と心理描写が特徴的で、ここにカイジの面白さが詰まっていると言っても過言ではないぐらいの迫力となっています。今回は『賭博黙示録カイジ』の魅力を、そのゲーム内容と共に紹介していきます。

 

騙し合いの連続となる限定ジャンケン

まず注目するのは、一発目に登場した限定ジャンケンです。こちらは普通のジャンケンをカードバトル風にアレンジし、ライフである星と金を絡めて1対1で奪い合いをさせるというゲーム内容になっています。ただ運に身を任せてという訳ではなく、いかに相手が持っているカードを予測し、星を失わないように駆け引きするのかが鍵となっているのです。

癖の強い債務者が集まっているからこそ、いろいろな人間がいます。ただ運任せに勝負してしまう者、相手を騙して星を奪う者、チームを作り協力して星を獲得する者と様々です。そんな中でカイジはいきなりの絶望状態からスタート!そして金とチームと策略を駆使してゲーム攻略を目指しますが、一筋縄でいかない勝負の連続と結末に思わず言葉を失ってしまいます。

名言:「ここ一度だけ…勇気を…生きるための勇気…!」

カイジが活路を見出して、逆転するために必要となった状況で出た言葉です。負ければ敗退し、借金を違法行為で支払わなくてはならない状況…それを打破するためには仲間と気持ちを一緒にして突破する覚悟が必要でした。ここさえ飛べれば突破口が開かれる、という気持ちが凝縮しています。

見ているだけで死を体験できる鉄骨渡り

次の「鉄骨渡り編」は、高層ビルとビルの間に掛けられた地上数十メートルの橋を渡るというもので、渡り切れば2000万円を獲得できます。しかしその鉄骨には電流が流され手を付くことはできませんし、落ちればもちろん死んでしまいます。

初めは金欲しさにゲームに参加した人たちですが、渡り始めてすぐに後悔することになり恐怖との戦いが始まります。

極限状態から、見えないものが見えたり、感じたりすることで脱落者が次々と出ることに…。誰かが落ちることで、「次は自分が落ちてしまうのでは?」そんな恐怖に耐えながら、進むしかない橋を進んでいきます。

ここで魅せるのは死と直面した人間の在り方というものです。無様に醜く落ちる者もいれば、勇気を持って死から踏みとどまろうとする者と、極限状態の人間を見ることができます。

名言:「金は命よりも重い」

利根川の名言と言えばこれ!という定番のセリフでもあります。しかしこれは意外にも正論を話しています。一瞬で数千万という金を手にするということは、その金を何十年と努力してきた人に失礼であり、命を張るしか他にないという意味です。心に刺さる名言のひとつでもあります。

頭脳と度胸の戦い!Eカード

「Eカード編」では、会長の右腕である利根川とカイジの一騎打ちとなります。こちらは奴隷、市民、皇帝を使ったカードゲームで、いかに奴隷で皇帝を討つかというのが重要な戦いでもあります。

そして掛け金は、針の進む距離分に該当する金額というもので決められました。カイジは特殊な器具を片耳に取り付けられ、負ける度に鼓膜に向かって針が進んでいくという勝負を受けたのです。

全部で12回戦行う約束のゲームなので勝ったり負けたりの展開となるのですが、どこで大きく張るかで得る金の額も変わってきます。

会長の見ている前での勝負だけに、利根川にとっても負けられない戦いなので必死です。敗ける度に少しずつ進み続ける針はカイジの心を折るのに十分すぎる行為ですが、カイジも鉄骨渡りでの理不尽な死を目の当たりにしているだけに、ただでは済まさないという気迫に満ちていました。

ここでは、いつ相手が奴隷を出すのか?という策略と心理戦の攻防が激しく行われているのが見どころで、カイジが今後の勝負でも見せるキレキレの看破力を見せつけられます。

名言:「蛇でいてくれてありがとう」

カイジはEカード戦で利根川という人物を必死に見抜き、かなりの優秀な人間だということが分かります。そしてそれを逆手に取るのですが、その最大の見せ場に出る名言であり、思わず「おお!」と声が出そうになるぐらいの結末に驚かされます。

指4本と1億を賭けた史上最悪のくじ引き

最後に行われた帝愛会長・兵藤との一騎打ちは、カイジ自らが提案したものでシンプルなゲーム内容となっています。丸の付いたクジをティッシュの空き箱に入れ、どちらが早く引き当てられるかという単純なものですが、掛け金は一気に上がり、何と1億円となります。会長には当然金があるので良いのですが、カイジには一億という金はありません。

そこで代償は指で賭ける…何と指4本を賭けてこの勝負に挑むのです。くじ引きだけならそこまで盛り上がらないのでは?とも思われますが、ここでも互いに巧みな策略があるからこそ意外な結末になっています。

名言:「本当のめくるめく快感は…常軌を逸するからこそ…辿り着ける」

最大の敵である兵藤が指を賭けるように迫った中、カイジが承諾することで出た名言です。金も名声も手に入れた兵藤だからこそ、普通のことでは満足できなくなっていました。だからこそ自らの心を動かすような行為は、人が極限状態に陥った時にこそ感じられるということを明かしています。ジャンキーだということの表れでもある言葉となっています。

『賭博黙示録カイジ』は絵ではなく内容で魅せる!

全13巻ですが「え?そんなに少ない巻数でそこまでやるの?」と思えるぐらいに内容が濃いです。そして一番感じるのはまるで自分がそこで勝負しているかのような緊迫感です。金で済まされるのならそれほど感じない緊張感も、体や命を賭けるとなるとドキドキ感が止まらなくなります。もしも自分がそこにいたら…それを想像させられるだけの心理描写の上手さがあるからです。

ゲーム内容もそれほど複雑ではないから分かりやすく、策略が立てやすいというのもあります。だからこそ不正をする者もいる訳ですが、カイジは生き残るために必死に攻略法を探します。そのため「よくぞやってくれた!」という爽快感を与えてくれる作品に仕上がっています。画力がそれほどないのにそれでも読んでしまうのは、画力以上の魅力がたくさんあるからです。

映画やアニメでも既に放映されていて知っているから今更…と思う方もいるかもしれません。しかし漫画でしか伝わらない緊張感や心理描写があるからこそ楽しめるので、読んだことのない方は是非読むことをお勧めします!