『アイドルマスター ミリオンライブ!』

『アイドルマスター ミリオンライブ!』

2018/10/10 更新

つなぐセンターという新しい可能性

『アイドルマスター ミリオンライブ!』

ゲームを中心にアニメ、漫画、ライブとさまざな展開で10年以上にわたる長寿人気コンテツ・THE IDOLM@STER(以下アイマス)。そのアイマスシリーズの中核をなす「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!」のコミカライズ作品「アイドルマスター ミリオンライブ!」には、アイマスが抱えていた問題点の解決法と「未来」が示されていました。

 

声優・アニメジャンルでは最大規模を誇るライブ

アイマスは、アイドル育成ゲームです。すべてのシリーズにアイドルが登場して歌を披露し、そのゲーム内楽曲がCDリリースもされています。CD人気は安定していて、キャラクターを演じている声優が行うライブはアニメ・声優ライブとしては最大規模を誇るほどです。

アイマスCDの実力

オリコンニュース記事より

人気音楽ゲームアプリ『アイドルマスター シンデレラガールズスターライトステージ(以下、デレステ)』が、9月3日でサービス提供開始から3周年を迎えた。それを記念して、同ゲームに登場する楽曲を収録したシングルCDシリーズ「~スターライトマスター」(16年3月より日本コロムビアから随時リリース)の表題曲及び、CD未発売楽曲のフルサイズとなる「M@STERVERSION」のデジタル限定配信が8月28日にスタート。全29曲が一挙配信され、9/10付週間デジタルシングル(単曲)ランキングを席巻。TOP10内に5曲、TOP100内で見ると24曲もランクインさせた。

アイマスライブの規模

音楽ライブ情報サービス「LiveFans」の独自調査では、THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLSがアニメ・声優部門でトップとなっています。

≪LiveFans調べ≫2017年 年間ライブ観客動員ランキング!より

【 声優・アニメ部門 】
1位 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
2位 水樹奈々
3位 Aqours
4位 スフィア
5位 Linked Horizon

アイドルマスター&ラブライブ!シリーズは安定の人気!

詳しい数字は音楽情報サイトBARKSの記事に掲載されています。また、この数字はTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLSという1シリーズのみのものなので、その他シリーズの集客を合わせるとさらに大きな数字となります。

ライブ人気の沸騰と反比例するキャラクターの掘り下げ

ライブが盛況となっているアイマスですが、ゲームが据え置きからスマホアプリへとシフトしていくことでゲーム内容も変化していきます。

スマホアプリになったことの変化点

  • 操作性がシンプルになった
  • 短時間でのプレイを想定するためにストーリーも簡潔になった
  • ストーリーが簡潔になることでキャラクターの掘り下げが難しくなった

アイマスにとって重要なのは、2・3番目です。登場キャラクターの多いアイマスでは、全員のキャラクターを引き立てることが難しく、特にアイドルマスター ミリオンライブ!の原作となるTHE IDOLM@STER MILLION LIVE!では、インパクトを残すために「普通」ではないイベント・ストーリーが多く、キャラクターを掘り下げるというよりは個性を無理やり押し付けているようにも取れました。

どのくらい独特なのかというと、「ミリオン イベント」の予測検索で「おかしい」が上位に表示されているくらいです。

漫画がキャラクターとライブをつないでいく

そういった状況で登場したのが「アイドルマスター ミリオンライブ!」です。この漫画では主要キャラクターである春日未来・最上静香・伊吹翼の物語が描かれます。ゲームの設定を生かしつつ丁寧に描かれたストーリーは、多くのTHE IDOLM@STER MILLION LIVE!ファン(アイマスファンはプロデューサーと呼ばれます)に支持され、アイドルマスター ミリオンライブ!こそが公式ストーリーであるいうプロデュサーも少なくありません。そのプロデューサーの支持がゲーム・ライブへと影響を与えます。

シンクロする漫画とライブ

「アイドルマスター ミリオンライブ!」の単行本に同梱された新曲がライブで披露されてきました。

  • THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 3rdLIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!! 幕張1日目の「アイル」
  • THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!! 2日目の「Flooding」
  • THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!! 3日目の「君との明日を願うから」

漫画内でアイルが披露されるシーン。ライブでほぼ同じ状況が再現されています。

「アイル」「Flooding」では漫画の展開を再現した演出が行われ、「君との明日を願うから」の曲中で披露されたキャラクター同士の掛け合いで追加された新しいセリフは、コミカライズを担当した門司雪さんが考えたと声優・田所あずささんが語っています。

アイドルたちが公演を行う「シアター」も漫画内でデザインされたものが、サービス終了となったTHE IDOLM@STER MILLION LIVE!の事実上の次作・アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズに逆輸入されています。

まとめ~春日未来が示す新しいセンター像~

漫画・アイドルマスター ミリオンライブ!がキャラクターとライブをつなぎ、アイマスが直面していた「キャラクターの希薄化」という問題を一旦解消させました。漫画で描かれたテーマも「アイドル同士」「アイドルとファン」「アイドルとプロデューザー」、それぞれに共通した「つながり」でした。そして、その「つながり」を象徴するのが、主人公・春日未来(以下未来)です。

未来は、天才的な才能を持っているわけでもなく、歌もダンスもまだまだ成長途中のアイドルです。絶対的な実力でセンターに立っているキャラクターではありません。ではなぜ、未来はアイドルマスター ミリオンライブ!のセンターとなっているのでしょうか?

未来の持つ力

  • 仲間の努力や想いを共感することができる
  • その共感を舞台上で表現することができる
  • 共感で仲間をつなげることができる

まだ未熟だとしても想いを感じ、自分のパフォーマンスに想いを乗せることができるのが未来。

こういった未来の力は、アイドルマスター ミリオンライブ!で認識することができました。

ゲームでは未来が泣くシーンが深く描かれることはなかったです。これもスマホゲーム特有のストーリー・演出の簡略化が影響しています。

ゲームでも、未熟で誰もが思わず手を差し伸べたくなる「人たらし」なのはわかっていましたが、漫画で「人をつなげる」才能を持っていることがしっかり描かれた未来。実力でねじ伏せるわけでも強力なリーダーシップでまとめるタイプでもなく、人をつなげることでセンターに立つ。

それは、ゲームやアニメ、漫画だけでなく、実際のアイドルでもいなかったタイプのセンターです。それゆえ、アイマスは好きだけど他のシリーズで精一杯だったり、実際のアイドルには興味があっても2Dアイドルには興味がない方にこそ、読んでほしいタイトルです。