『アイとアイザワ』~AIに恋をした女子高生は世界を救えるのか?

『アイとアイザワ』~AIに恋をした女子高生は世界を救えるのか?

2019/1/29 更新

異色のAI物語!

『アイとアイザワ』~AIに恋をした女子高生は世界を救えるのか?

リアル過ぎる人間関係と漫画的はったりを見事にミックスさせた「左ききのエレン」で一躍話題となったかっぴー先生。ゲーム業界のリアルを描き、テレビドラマにもなった人気漫画「東京トイボックス」の作者うめ(小沢高広・妹尾朝子)先生。 リアル系作品で人気の作家2組がタッグを組み、AI×SF×恋愛×冒険を盛り込んだ、何が起きるか分からない未知の漫画、それが「アイとアイザワ」なのです。 大人がしっかりと楽しめる内容で、SFが減ってきて嘆いている人、熱い恋愛が読みたい人、ドキドキする冒険譚を味わいたい人、様々な人が楽しめる作品になっていますのでどうぞお楽しみに。

 

「アイとアイザワ」とをより楽しむための3つのポイント!

では「アイとアイザワ」の何が面白いのかを、ストーリーやキャラクターを紹介しながら解説します。より楽しむためのポイントを大きく3つに分けて見ていきましょう。知れば知るほど作品の魅力に取りつかれること間違いなし!

多少のネタバレを含みますのでその点はご容赦ください。

その1.アイとアイザワの出会いは世界を変える

人類の存亡をかけた壮大な物語は、たったひとつの恋から始まった。それはあまりにも儚く奇跡のような恋だった—。

幼少の頃より、ずば抜けた記憶力で周囲を驚かせていたアイ。彼女は自身の視界に入る情報を瞬時に記憶する特殊能力・カメラアイの持ち主だった。

本が好きだった彼女は成長していくと同時に自分が住む街の本を読み尽くしてしまった。退屈な気持ちを抱えていた彼女の前に怪しげな男が現れ、時給一千万円という破格のバイトを持ちかける。

その特殊能力のため幼い頃から各国の研究に付き合わされてきたアイは、また研究に付き合わされるのかとうんざりした。怪しげな男に連れられ、着いた先はAIの研究機関・NIAIだった・・・。

人間離れした能力を持つ女子高生・アイが、人間を超えた世界最高のAI・アイザワと出会う時、人類の存亡をかけた冒険と恋の幕が開く。

その2.キャラクターから読み解く「アイとアイザワ」の世界観

この作品は前述のあらすじ通り、アイとアイザワの出会いから全てが始まります。ではなぜこの2人が出会うようになったのか、なぜこの2人だったのか、キャラクターの紹介と共に見ていきましょう。

アイ

主人公アイはカメラアイと呼ばれる特殊能力を持っています。またその能力に見合う精神的な強さと聡明さも持ち合わせており、容姿も美しくかなりスペックの高い人物です。

人の目をあまり気にせず、物怖じせず、まっすぐに生きているところにも好感が持てます。読書好きとしては、内容を忘れないでいられるのが羨ましいですね。

アイザワ

彼は世界最高のAIであり、アイの理想の男性でもあります。AIなので肉体はないのですが、その性質からネットがあればどこにでも現れることができ、データをダウンロードすればコピーも作れます。

性格は極めて合理的で温厚、一見すると紳士的ですが目的のためなら手段を選ばない冷酷な一面も持ち合わせています。しかしアイに対しては誠実で、AIに恋をした女子高生を利用するのではなく、きちんと真正面から受け止めます。

彼もまたアイ同様、好感が持てますね。

2人の出会い

2人の出会いは偶然であり必然でした。アイのように自身と本気のコミュニケーションをとれる人を待ち続けていたアイザワと、アイザワのように自分のことを理解してくれる人に出会いたかったアイ。

世界最高のAIであるアイザワにも予知できなかった恋。目的がピッタリと一致したのもありますが、何よりお互い魅力的な人物だから恋をしてしまったのでしょう。最初は世界を救うために協力してもらうつもりでアイを自身の元に呼びつけたアイザワ。しかし物語が進むにつれて彼にも少しずつ変化が見られます。

どのような変化なのかは実際に作品を読んで確かめてほしいのですが、簡単に言うと彼もまたアイに恋をします。AIが恋というと、おかしく聞こえるかもしれませんが少なくともアイザワは、人間を超える能力と、人間と同じような感情を持ち合わせています。

分かりやすい恋愛ではないかもしれません。ですが、これを恋と呼ばずして何と呼ぶというくらい、熱い恋なのです。

冒険が進む中で互いに理解を深め、信頼を増していく様子はSFのバディものであり、恋愛漫画のメソッドを多分に含んだ話になっていて、とても新鮮でした。

舞台は現代であり、他のかっぴー作品と共通した世界のようです。分かりやすいネタも仕込まれているのでそちらもお楽しみに。

その3.相乗効果!?より面白くなった「アイとアイザワ」

原作を上手く昇華している

アイとアイザワの原作はかっぴー先生が発表した小説なのですが、これを上手に漫画というメディアに落とし込んでいます。さらに漫画でしかできない表現を詰め込んで、作品の質を一段上げるという理想的なメディアミックスになっています。

また漫画だからこそ見えてくる部分も多くあり、楽しめました。

例えば原作の1~5話が漫画の1話になるのですが、アイという人物がこれほどコロコロと表情を変えるとは思っていませんでした。

小説は自身の想像力にもかなり左右されますが、うめ先生の描く漫画版は何が起きているか、どのような表情をしているか、どのような気持ちなのかをイラストと丁寧なコマ割りでパッと感覚で理解させてくれるのです。

小説が苦手だからという後ろ向きな理由ではなく、面白いからという前向きな理由で読んでほしい作品です。

そしてその凄さがより分かるのが、初めてのフラッシュトークのシーンです。

小説では〔部屋が、白く光った〕という何気ない一文でしたが、漫画では大量の文字が生み出す威圧感と、フラッシュトークはアイとアイザワにしかできないんだ、という部分を最大限に見せてくれました。

原作を知っている方ほどその凄さに驚かされますので、原作との違いを是非楽しんでください。

キャラクターの魅力が増す

アイとアイザワは当然のことながら、他のキャラクターの魅力も大幅に増しています。ビジュアルイメージもあるのですが、何気ないしぐさに人間らしさが溢れているのです。

ルミ、モーリス、ハナ、山田、他にも登場する数多くのキャラクターたち。その全員に血が通ったというのでしょうか、背景であった彼らが人として動いているのが分かるのです。

小説ではその人物に焦点を当てないと全く見えてこない部分も、漫画なら周りで何をしているか、どのような場所なのかが一緒に見えてきます。だからこそ原作以上に魅力的なキャラクターになったのでしょう。

中でもNIAIの職員さんがお気に入りになりました。原作を知っている方も、この作品を読めばもっと好きになるキャラクターが増えますよ!

それにアイザワの3Gモードが想定以上の可愛さを発揮するので、期待してください。

愛と魅力が詰まった作品、「アイとアイザワ」

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。

「アイとアイザワ」には様々な愛や魅力が詰まっています。アイとアイザワを始め、愛すべきキャラクターたちが出会い、緊迫のストーリーが生まれ、漫画版でしか味わえない表現をたっぷり味わわせてくれる珠玉の作品です。

アイとアイザワが出会って幸せになったように、この作品と出会った皆様に面白かった、読めて良かったと思ってもらえたら嬉しいです。

「アイとアイザワ」は全2巻で完結予定で、現在はマンガトリガーというアプリで最新話を無料配信中です。1巻の続きが気になる方は是非マンガトリガーでご覧ください。

また結末がどうしても気になる方には、原作を先に読むのもおすすめです。原作との相違点を探すのも楽しいですし、読むと漫画版の続きがより気になります。

2人の恋の結末と世界の行方を、どうぞ見守ってください。