宇宙も青春もサバイバルもミステリーも!『彼方のアストラ』

宇宙も青春もサバイバルもミステリーも!『彼方のアストラ』

2019/1/31 更新

「このマンガがすごい!2019」オトコ編3位!

宇宙も青春もサバイバルもミステリーも!『彼方のアストラ』

「彼方のアストラ」は集英社のウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載され全49話・全5巻で完結した、「SKET DANCE」の篠原健太先生が描くSFサバイバルストーリーです。 「このマンガがすごい!2019」でオトコ編3位を獲得し、完結後ではあるものの改めて評価されている作品です。 前作「SKET DANCE」は学園モノのゆるめのギャグコメディをベースに、定期的に挟まれるミステリー要素やメインキャラ達の過去を描いた衝撃的なエピソードで読者を驚かせた秀作でした。 個人的にも非常にお気に入りではあるのですが、“大好きな作品”というよりは、“なんか嫌いになれない!”みたいな作品でした。 それでは「彼方のアストラ」がどのような作品なのか、紹介していきましょう。

 

あらすじ

宇宙旅行が当たり前になった未来で、惑星キャンプに参加した高校生たちが到着したキャンプ地で謎の球体に飲み込まれ、宇宙空間へと投げ出されてしまいます。

主人公であるカナタの活躍もあり、なんとか全員が近くにあった宇宙船に避難し助かりますが、そこはキャンプ地から5千光年離れた宇宙の遙か彼方だったのでした。

こうして彼らの宇宙でのサバイバルが始まります。

未知の宇宙でのサバイバル

避難した宇宙船は航行可能で、時間はかかるものの帰還はできる状態でした。しかしどんなに急いでも3ヶ月はかかる道のり。それなのに今ある食料や水は3日分にしかならないため、生きて辿り着くのは不可能。

絶望の中で彼らが見出した希望は、「水と食料を補給できる惑星を経由しながら進む」という方法で、彼らは未知の惑星を探索し、補給しながら進むことを決意します。

しかし探索でわかるのは、それぞれの星で最低限水と食料が採取できるということだけ。どんな環境で、どんな未知の生物がいるか、どんな生態系をしているかは実際に現地に行ってみなければ、わかりません。

ある時は巨大な生物に襲われ、ある時は惑星の生態系の脅威にさらされ、ある時は自然の猛威によって窮地に陥りながらも進んで行きます。

どんなに危険な星であっても彼らの旅は一方通行。食料の問題があるため戻ることは許されない旅で、未知の脅威にさらされながらも次の星へ進むために探索を続けなければならないのです。

魅力的な惑星

未知の惑星は危険がいっぱいですが、同時に登場人物たちにとっては魅力がいっぱいであることも間違いありません。すべてが見たことないものばかり。遭難中ですが、彼らにとっては“惑星キャンプ”でもあるのです。

水をなかなか見つけられない惑星もあれば、水ばかりの惑星もあり、時にはリゾートのような場所も。

この経験は彼らを大きく成長させ、固い絆で結ばれていくことになります。

魅力的なキャラクター

広大な宇宙での遭難劇のため、この物語の登場人物は基本的には9人の船員達がメインとなります。

カナタ・ホシジマ

将来の夢は宇宙探検家であり、サバイバル技術が高く陸上十種競技の選手でもあるため、運動神経が非常に高い。抜けているところも多いが、みんなを引きつける魅力があり、彼らのリーダー的な存在となる。

アリエス・スプリング

天然で明るい性格の女の子。左右の瞳の色が違うオッドアイの持ち主。一度見たものを忘れない映像記憶能力がある。

キトリー・ラファエリ

褐色の女子で、素直になれない性格。家が病院で本人も医学を勉強しているため、船医的なポジション。

フニシア・ラファエリ

キトリーの義理の妹。素直で明るくみんなのマスコット的存在。

ザック・ウォーカー

IQ200の天才。宇宙船の操縦免許を持っている。物事をはっきり言う性格で、船のサブリーダー的存在。

ルカ・エスポジト

誰とでも積極的にコミュニケーションがとることができる、お調子者のキャラ。手先が器用で色々な場面で活躍する。

シャルス・ラクロワ

生物や自然についての知識に詳しく、サバイバル生活において非常に頼れる存在。料理も得意なイケメンキャラ。

ユンファ・ルー

引っ込み思案で暗い性格をしており、自分だけがこの生活で役に立てていないことを気にしている。なにか特技があるようだが・・・。

ウルガー・ツヴァイク

ニット帽をかぶって片目を前髪で隠していて、他のメンバーと関わりを持たないようにしている。射撃が得意。

この9人のメンバーが、自身の抱える問題とこの旅を通して向き合っていくことになります。そしてこの9人にはなにか共通点があるようで、それがこの物語の大きなポイントとなっています。

裏切り者といくつもの謎

彼らがキャンプ地で遭遇した、謎の球体。それによって広大な宇宙へと放り出されてしまいますが、その球体は彼らが初めて辿り着いた惑星でも再び姿を現します。なんとか難を逃れた彼らでしたが、船の通信機が誰かに意図的に壊されていたことが発覚します。

謎の球体の存在と9人の中にいる裏切り者。なぜ彼ら9人が広大な宇宙へと飛ばされてしまったのか?彼らの共通点とは?

これら様々な謎とともに、物語後半ではこの世界の大きな謎が明かされていきます。

伏線も多く、ヒントは散りばめられているので、予想するのも楽しみの一つかもしれません。

まとめ

この作品はどんな作品かと聞かれれば、「SF」と答えるのが普通ですが、それだけでなく様々な要素が盛り込まれています。個人的には「SFもサバイバルも青春もミステリーもキャラの魅力も友情も勇気も!」といったところでしょうか。

登場人物が限られている分、一人一人のキャラが丁寧に描かれていますので、非常に魅力的です。犯人探しのミステリー的な要素や、しっかりと作り込まれた設定があるので9人のキャラクターみんなを、きっと好きになれるでしょう。

全5巻というボリュームでありながら様々な要素を詰め込んで、しっかりとまとめ上げた大傑作。無駄な要素が一つもなく完成度が非常に高い作品ですし、すでに完結もしているので、沢山の人に読んで頂きたいと思います。完結している分、アニメ化したら非常に良いものができそうな気もします。

最近の漫画は長期連載になることが多く、乗り遅れるとなかなか手に取りづらいこともあると思いますが、その点、全5巻でしかも完結している本作は手に取りやすい作品です。

ぜひ、9人のメンバーと一緒に宇宙の旅をしてみてはいかがでしょうか?