AV女優がウルトラマンに!?『GIGANT』

AV女優がウルトラマンに!?『GIGANT』

SF&男子高校生とAV女優のラブストーリー

AV女優がウルトラマンに!?『GIGANT』

「ビッグコミックスペリオール」にて連載中の、代表作「GANTZ」で有名な奥浩哉先生による「GIGANT」。男子高校生とAV女優のカップルが、謎のサイトによって引き起こされる超常現象に巻き込まれていくSF漫画です。 本作は、電子コミックストアeBookJapanの漫画選びのエキスパート集団、「特選まんが委員会」によって、「次に来るまんがはこれだ!2019年版」の“少年・青年まんが51選”にも選ばれました。今、大注目の本作の魅力をたっぷりとご紹介していきましょう。

 

あらすじ

映画監督を目指す男子高校生・横山田零(よこやまだ れい)は、映画祭に出展する自主制作映画の主演女優役に、同じクラスの美少女に出演のOKをもらっていたが、急遽断られてしまい、自主制作映画は暗礁に乗り上げてしまう。さらに、学業の成績も振るわず親から説教され意気消沈していた。

そんな中、零は最寄り駅から自宅へ帰る途中、大ファンであるAV女優・パピコを中傷する張り紙が大量に貼られているのを街中で見かける。帰宅後もその事が気になり、居ても立っても居られなくなった零は、夜中に家を抜け出し張り紙を剥がして回っていたところ、目の前にパピコ本人が現れた。

自分のために張り紙を剥がしてくれた零の善意に感激したパピコは、零と連絡先を交換してくれる。思わぬパピコとの出会いに零はときめきを覚えていた。

ある日、パピコこと本名ちほ・ヨハンソンは、ひき逃げ事故を目撃してしまう。被害者は変な格好をした「おじさん」で、ちほはとっさに駆け寄り救急車を呼ぼうとしたが、「おじさん」からそれを止められ、右手首にダイヤルの数字が表示された腕時計のような物を埋め込まれる。次の瞬間、そばに怪しげなDVDを残し、「おじさん」は人形になってしまっていた。

とりあえずちほは、人形になった「おじさん」とDVDを持って家に戻り、タバコを吸いながら右手首に埋め込まれたダイヤルをいじっていると、なんと身体が巨大化してしまったのだった。

謎のサイト「ETE」

本作のストーリー展開の起点となっているのが、作中で小中学生を中心に爆発的に広まっている怪しげな謎のサイト「ETE(enjoy the end)」です。

ユーザーから世紀末っぽいお願いを集めて、投票で実現することを決めるというサイトで、このサイトとの決定的な因果関係は今のところ不明ですが、投票で可決されたことが現実に起こっているのです。

提案されるお願いは始めのうちこそ、サイトのユーザーが小中学生の低年齢層が中心であったことから、幼稚でバカバカしいものばかりでしたが、次第に大人も参加するようになったらしく、大手銀行のシステムが不正にハッキングされ、大金が不明な口座に送金されるなど、社会生活の混乱を招く事態にまで発展しており、各メディアもこのサイトを大きく取り上げ始めます。

実際に投票されているのかも不明、さらにはサイトの運営側も謎とされており、サイトの不気味さだけが増すばかりで、日本国民全員が怯えて過ごすという非常事態となってしまいます。

零とちほの2人が「ETE」の謎に迫っていくことが、今後のストーリーのキーになっていくことは間違いないでしょう。

謎の変な格好の「おじさん」

作中で、前述の「ETE」と同じくらいに謎なのが、ちほの右手首に巨大化する装置を埋め込んだ「おじさん」です。

物語の当初から零とちほの視界に登場し、頭にはヘルメットをかぶり、背中にランドセルを背負った、上半身は丈の短いTシャツで、下半身はブリーフ一枚にハイソックスと、一見変質者のような外見です。

残されたDVDには、何やら「おじさん」の記録映像が映っており、それが168時間も録画されているという、従来の記録メディアではありえないハイスペックなのです。

ちほから零が預かりザッと見ただけのDVDと、交通事故後に人形になってしまった「おじさん」には、まだまだ今後のストーリーに深く関わる謎が隠されていることでしょう。

男子高校生とAV女優のピュアラブストーリーでもある

本作は、前述の「ETE」と「おじさん」の登場によってSF作品へと急展開しますが、純朴な男子高校生の主人公・零と、もろもろの家庭の事情を抱えたAV女優のヒロイン・ちほとのピュアラブストーリーでもあります。

零にとってちほは憧れの存在であり、また、ちほにとっても零はAV女優としての自分を受け入れてくれる、かけがえのない存在になっており、「ETE」や「おじさん」のSF要素の謎と並行して、2人の恋の行方がどうなっていくのかも、本作の見どころの一つとなっています。

一気に引き込まれる面白さ

奥浩哉先生の作品の特徴として、暴力・性的描写など世間一般からタブーとされている事柄を取り入れていることが多く、衝撃的な作風で知られています。

本作でもそれは健在ですが、けして不快に思うほどではなく、バランスよく要所要所にアクセントとして組み込まれており、エロ・グロ要素が苦手な方でも抵抗なく読み進めていけるのではないでしょうか。

また、デジタル処理によって緻密に描かれた背景からは、都会の空気感が伝わってきて、よりリアリティを感じさせてくれ、読者がストーリーに一気に引き込まれていく作品となっています。

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